結婚相談所に入るかどうかで迷っている人に向けた記事です。20 代後半から 30 代で、マッチングアプリは使ったことがあり、無料相談に行こうとしている人を思って書きました。ここで扱うのは、どの相談所がよいかではありません。契約をやめる道すじが法律で決まっている、ということだけを書きます。
先に結論から。結婚相談所の契約は、書面を受け取った日から 8 日ならクーリング・オフできます。その日を過ぎても、わけを言わずに途中でやめられます。この 2 つを知っているかどうかで、無料相談の席での落ち着きが変わる。
- 法律で決められた書面を受け取った日ここから 8 日を数える
- 8 日以内クーリング・オフ。理由を言わずにやめられて、違約金も請求されない
- 8 日を過ぎて、サービスが始まる前中途解約できる。事業者が請求できるのは 3 万円まで
- サービスが始まったあと中途解約できる。請求できるのは、提供済みの対価に「2 万円」か「契約残額の 20 パーセント」の低いほうを足した額まで
対象は、期間 2 か月超・総額 5 万円超の契約。出典は消費者庁「特定商取引法ガイド」。
クーリング・オフは 8 日。法律と政令が指定した業種だから
特定商取引法は、長く続くサービスのうち、政令で指定したものにだけ、ふつうとは違うきまりを付けています。いま指定されているのは 7 つ。消費者庁の特定商取引法ガイドの一覧では、エステ、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、そして結婚相手紹介サービス。「特定継続的役務提供」と呼ばれる枠で、ここに入る契約には、ふつうの買い物には無い決まりがついてきます。
決まりは 3 つ。1 つめが、書面を受け取った日から 8 日のクーリング・オフ。2 つめが、長さの途中でのいつでものとりやめ。3 つめが、やめたときに会社が求められる額の上限です。サービスが始まる前なら 3 万円。始まったあとは、すでに受けたサービスの対価に、2 万円か契約残額の 20 パーセントの低いほうを足した額までです。「2 万円までしか払わなくていい」ではありません。受けた分の対価は別に払う、と覚えておいてください。
対象になるのは 3 つの要件を満たす契約
すべての契約が入るわけではありません。同じガイドが挙げる要件は 3 つ。中身が「結婚を希望する者への異性の紹介」であること。期間が「2月を超えるもの」。そして金額が 5 万円を超えること。この 5 万円は、入会金や月会費、関連する商品まで合わせた契約金の総額です。入会金だけ見て「5 万円以下だから外れる」と決めないでください。渡された書面の合計で確かめます。
マッチングアプリはどうか。当たるかどうかは、ガイドにも Q&A にも書かれていません。Q&A には、役務が「ファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれます」とあります。インターネットを使うから外れる、という記述はありません。アプリでも、3 つの要件に照らして確かめることになります。
婚活の段階で交わされた相談 231 件のうち、上に来るもの
当サイトは、結婚に向かう人の相談を段階ごとに数えています。婚活の段階では、お見合いと申し込みが 77 件、仮交際が 83 件、真剣交際が 71 件。合わせて 231 件になります(2026 年 9 月時点)。段階ごとに 30 件を目安に選び、AI による 2 系統の判定でべつべつに確かめ、答えがそろった件のうち当たっていた割合(適合率)でなおした数です。悩みの型は、投稿に出てくる語で振り分けています。
この 3 つの段階で多く聞かれていることの上に、相談所・アプリの選び方が来ます。相談所や仲人、担当者、ルールといった語が出てくる相談が、ここに入るしくみです。入会したあとも、いちばん多いのは相談所と担当者が出てくる相談です。お見合いの段階では、「費用・お金・割り勘」も上から 4 番目に入りました。
数え方と、この方法で分かっていないことはこのサイトの数え方に書きました。段階ごとの並びは段階別のデータから見られます。
入会前の相談は 30 件に届かない
当サイトの分けかたには「入会前・相談所を選ぶ」という段階があります。この段階の相談は 30 件に届かず、出してよい数に足りませんでした。だからページを作っていません。
入会前の迷いは、この段階としてはほとんど拾えなかった、ということです。相談所や担当者の話がたくさん出てくるのは、入ったあとのお見合い・仮交際・真剣交際の相談のなかでした。入ってから聞くより、入る前に書面で確かめるほうが早い。確かめる線は次の表の 2 行だけです。
契約の条件で、やめ方が変わる
下の表は、消費者庁の特定商取引法ガイドに書かれた線と、線の外の契約にも効く消費者契約法の決まりを並べたものです。
| 契約の条件 | やめ方 |
|---|---|
| 異性の紹介で、2 か月を超え、総額 5 万円を超える | 8 日のクーリング・オフと、途中でのとりやめ。会社が求められる額に上限が付く |
| どれかが線の外にある | 特定商取引法のこの決まりは付かない。ただし、同じ種類の契約で会社に生じる平均的な損害を超える解約料は、超えた部分が消費者契約法 9 条で無効になる |
無料相談で確かめること
国立社会保障・人口問題研究所の第 16 回出生動向基本調査によると、夫と妻の平均交際期間は 4.3 年。これが見合い結婚(調査では、結婚相談所で知り合った夫婦も入ります)だと 1.5 年です。知り合った年齢は夫 33.9 歳、妻 31.7 歳。短いあいだに決める場だからこそ、契約のことは入る前にかためておきたい。
席で確かめることは 3 つ。契約の長さとお金が、法律の線の内側かどうか。やめたときに求められる額が、上限の内側で書かれているかどうか。担当の人が変わるかどうか。
その場で決めない、と決めてから行ってください。紙を持ち帰れば、8 日は考える時間として使えます。急かされたと感じたら、それは決めるための材料が足りていないというしるし。材料は集められます。席を立ってからでも間に合います。